最近よく耳にするようになった「終活(しゅうかつ)」。
自分らしい人生の締めくくりを準備する活動として、テレビや雑誌でも取り上げられることが増えました。
でも、いざ自分のこととして考えると――
「終活っていつから始めるべき?」
「最初は何をすればいいの?」
と迷ってしまう方も多いのではないでしょうか。
この記事では、終活を始める年代の目安と、具体的に何から取りかかればいいのかを整理してみたいと思います。
終活を始める年代の目安
60代から始める人が多い
定年退職や子育ての区切りがつく60代は、時間や心の余裕ができる年代です。健康面でもまだ行動しやすく、ライフスタイルを見直す絶好のタイミング。多くの方が「そろそろ終活を」と考え始めるのがこの年代です。
50代から動き始めるのもおすすめ
親の介護や相続を経験することで「自分の終活も早めに考えておこう」と思う人も増えています。50代で少しずつ整理を始めれば、余裕を持って準備ができます。
70代以降は“後回しリスク”に注意
「まだ元気だから」と思っているうちに体力や判断力が落ちてしまい、気づいたら整理が追いつかない…という声も少なくありません。70代からでも遅くはありませんが、負担が大きくなるため、できればもう少し前から取り組んでおきたいところです。
終活で取り組むべきこと
終活といっても幅広い分野があります。いきなり全部やろうとすると大変なので、優先順位をつけて少しずつ始めるのがおすすめです。
1. 身の回りのモノを整理する
まずは「物の整理=生前整理」から始めましょう。
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着なくなった服
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使わない食器や家電
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取っておいた書類や雑貨
これらを少しずつ処分することで、住まいがすっきりするだけでなく、自分がいなくなった後に家族が片付けに困らなくなります。
2. お金の整理
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預金口座の数を把握しておく
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保険の内容を確認する
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クレジットカードや契約サービスを見直す
特に最近はオンライン契約やサブスクが多いため、解約しないまま残ってしまうこともあります。リスト化して家族に伝えておくと安心です。
3. 医療や介護について考える
もし病気になったら、どんな治療を望むか。延命治療を希望するかどうか。介護が必要になったら誰に頼りたいか。
こうした「自分の意思」をまとめておくことは、家族にとっても非常に助けになります。
4. エンディングノートを書く
エンディングノートは、自分の情報や希望を書き残せるノートです。
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家族へのメッセージ
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葬儀のスタイル
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遺産や相続に関する希望
公的な効力はありませんが、自分の思いを伝える手段として大きな意味があります。
5. デジタル遺品の整理
スマホやパソコンに保存しているデータや、ネット上のサービスは今や誰もが持っている“財産”の一部です。これを デジタル遺品 と呼びます。写真や動画、メール、SNSのアカウント、ネット銀行や証券口座、オンラインショップのIDやサブスク契約など、その範囲はとても広くなっています。
問題は、これらが放置されると家族が手続きに困ってしまうこと。例えば、SNSアカウントが残ったまま更新が止まり「どう扱えばいいのか」と悩んだり、オンライン決済やサブスクの自動引き落としが続いて無駄な出費が発生するケースもあります。
整理のポイントはまず 「利用しているサービスを書き出す」 こと。パスワード管理アプリや紙のリストにまとめておくと、家族がスムーズに把握できます。また、写真や大切なファイルはクラウドに保存するだけでなく、必要に応じて外付けHDDやUSBにもバックアップを取っておくと安心です。
さらに最近は、GoogleやAppleなど大手サービスで「アカウント引き継ぎ」や「事前指定連絡先」といった機能が用意されています。これを設定しておけば、自分に万が一のことがあったときに家族が正しくアクセスできます。
デジタルの時代だからこそ、こうした整理を怠ると後々の負担が大きくなります。モノやお金の整理と同じくらい、「デジタル遺品の整理」は現代の終活で欠かせない取り組みです。
最初の一歩は「書き出すこと」
「やらなきゃ…」と思っても、いきなり行動に移すのは難しいもの。
そこでおすすめなのが 「現状を書き出す」 ことです。
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所有している口座や保険
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家にある大きな家具や荷物
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これから叶えたいことや願い
頭の中にあることを紙やノートに書くだけで、「ここから整理しよう」という方向性が見えてきます。
終活は「前向きな活動」
「終活」と聞くと暗いイメージを持つ人もいますが、実際は「これからの人生をどう楽しむか」を考える前向きな活動です。
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身の回りが片付いてすっきりする
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無駄な契約や出費を見直せる
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家族への感謝を言葉にできる
こうした効果は、今の生活をより快適にしてくれます。
まとめ
終活を始める年代の目安は50〜60代。
余裕を持って少しずつ始めることで、70代以降に慌てずに済みます。
最初の一歩は、
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モノの整理
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お金の整理
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医療や介護の希望を考える
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エンディングノートを書く
など、身近で手をつけやすいことから。
終活は“人生の終わりの準備”ではなく、“これからをよりよく生きるための活動”。
自分らしい未来を描くきっかけとして、今日から少しずつ取り組んでみませんか?
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